子どもの想像力を無限大に広げてくれる絵本
10才の頃、大好きな石と深く深く向き合った作者が、
石から広がる世界の隅々にまで、深く深く問い続けながら、
僕が僕であることの意味にたどり着いた、当時の事がメインのお話になっています。
僕は石たちのことが好きだけど、石は僕のことが好きなのだろうか?
そんな問いから、『なぜどうして』の冒険が始まります。
命ってなんだろう?
ぼく。わたし。それってなんだろう?
考えただけで、自分の中の想像の世界が広がっていきます。
自由に想像する心地よさを感じられる一冊です。
考えることが好きな我が家の長女も、食い入るように
この本を読んでいました。
作者の世界観が美しい
作者の世界観が、本当に素晴らしいです。
言葉の表現がとても優しく、温かく、美しいです。
できることなら、森本レオさんに読み聞かせをしてもらいながら、
目を瞑って聞いてみたいくらいです。
私はこの絵本が大好き過ぎて、福音館書店で5冊も買ってしまいました。
人にプレゼントしたい!!と思う一冊だったからです。
ぼくがぼくであること
ずっと続く命のつながりのなかで、ぼくは『たまたま』ぼくとして生きている。
命はかわるがわるめぐるのに、『ぼく』はぼくだけだ。命は終わってべつのなにかにわたすことができるけど『ぼく』はだれにもわたすことができない。
だからきっと、この自分がどんなに偶然の積みかさねとして、いきているとしても、この『ぼく』を生きていくしかない。
ぼくはとほうもなく長い『命』の歴史のなかに存在する。でも同時に、いまここに生きている『ぼく』が出発点なんだ。
下西 風澄
命や、生きることがテーマの絵本では、『命の尊さ』、『命はなによりも大切』
のようなメッセージが伝わる構成になって、締めくくられていることが多いと思うのですが、
この絵本は違います。それだけではありません。
もっと深いです。
『ぼくがぼくであること』、までを伝えてくれています。
???????
と思った方はぜひ読んでみてほしいです。
すごく大切な部分で、子ども達に1番伝えたいと思った部分です。
私の説明だけでは理解が難しいと思いますが、
本を全て読んで頂ければ理解できると思います。
ここまで深く伝えてくれる本はないと思います。
子どもには難しいのではないか、と思う内容かもしれませんが、
理解するには難しい内容だと決めつけずに、何度でも読んで欲しい一冊です。